医療法人従業員の労働環境と離職願望の関連
日付:2020年10月7日
会場:京都市勧業館みやこめっせ
発表者:姫野 こなみ
共同研究者:細川 翔平
- 【目的】近年、当医療法人は自治体の中で最大の医療法人であり、
地域医療の中核的役割を担っている。しかしながら、 人材確保が課題である。一般的に、 労働環境と離職願望は相互に影響を及ぼしており、 離職抑制のためには、 労働環境と離職願望の関連を明らかにすることが必要である。 本研究では、細分化した職務満足度に着目し、 医療法人従業員の労働環境と離職願望の関連を明らかにすることを 目的とした。 - 【方法】調査期間:2019年5月22日(水)~8月16日(
金)とした。調査:法人内の情報伝達システムを利用して、 協力依頼およびアンケートを行った。調査項目は、基本的属性、 独自作成の職務満足度、過去半年間の離職願望、 現在の離職願望である。分析:現在の離職願望「あり」「なし」 を従属変数とし、基本的属性と独自作成の職務満足度( 中央値で2群に分けた)を独立変数とし、分析を実施した。 分析には主にχ2検定を用いた。 - 【結果】アンケート発信対象者750名、
アンケート返信者数280名、回収率37.3%であった。 現在の離職願望は、あり81人(28.9%)、なし199人( 71.1%)であった。 職種と独自作成の職務満足度25種類で離職願望との有意な関連が みられた。その中で、特に従業員の離職抑制・ 人材確保のためには、「私の上司は適切な助言をしてくれる」「 私は上司と信頼しあっている」「私は現在の仕事が好きである」「 私は現在の仕事に向いている」「 私は現在の仕事にやりがいを感じる」「 私は法人の従業員であることに満足している」の要素に着目し、 それぞれの改善に包括的に取り組むことが有効である。 - 【結論】本研究において、
医療法人従業員の離職願望には労働環境が密接に関連していること が明らかになった。